フランスの想い出話
タロット読み師のアドリアーナです。bonsoir.
今月より、占いのお時間以外はフランス語で生きています。突然急に、思い出した様に、これまでの何年ものサボりをなんとか取り戻そうとたいへん必死な私です。
以前、南フランスはAix-en-Provenceというそれはそれは美しい、石畳と泉、プラタナス並木がある都市の大学に留学していました。クラシックな石造りの校舎は中庭があって、レトロな階段教室にはステージにグランドピアノがありました。西陽が差し込む古い教室から中庭を眺めると、本当に映画の世界の様な素敵な空間です。
外国人向けの語学特科授業以外に本科の授業も自由に参加できました。この学校の政治学科はフランス国内でも有数の学科です。もちろん政治学科の授業を取ることは無く(笑)発音を上手になりたかった私は音楽の授業をものすごく楽しみにしていました。
その時の第一回目の授業が印象的でしたので今日はそれを書いてみます。
私は新学期からの入学生でした。第一回めの音楽授業は全員初顔合わせの新入生ばかり。ところが日本人やアジア人は誰もいなくて、ヨーロピアンばかり50人ほど階段教室に集まっていました。こんなところからもアドリアーナもだいぶ日本人留学生の中では自由な動きをするタイプでした。レンタカーを借りてドライブしまくっていた女子学生は私以外、他にいませんでしたしね。
そして黒Tシャツにゆったりしたデニムでラフな感じで現れた音楽の先生は年配男性で、温厚そうだけどパッションのある雰囲気です。立ったままグランドピアノをじゃんじゃんバカスカ弾いてくれる感じも先生というより業界の人ですか感がありました。
そして「第一回はみんなでこれ歌うでー」と配られたプリントには・・・
「Le poinçonneur des Lilas」
(リラ門の切符切り)
セルジュ・ゲンズブールの楽譜と歌詞。そして先生が歌い始めて全員唖然。
これ、メロディに乗って歌う部分もあるにはあるけど、ほとんど早口言葉で喋ってるだけやん・・・
歌詞の内容は、パリのメトロの切符切りの男が暗い地下駅改札で毎日切符ばかり切ってて小さい穴をみてたら気が狂いそうになっていく、という様な息の詰まる内容です。
うーーーん、こんな風光明媚な南フランスでこれ歌うの?
早口言葉やし?
言えたところで、この曲「50人での合唱」向きですか?
練習して皆で合わせたけれどバッラバラ・・・笑
どんな曲か興味がある方は下にリンクを貼ってますので聴いてみてください。(動画を再生できませんと表示されているかもしれませんが、リンクのYou Tube に飛べますので大丈夫です)
次の週の課題曲は、先生も考え直したのか、
「Un homme et Une femme」(男と女)
フランシス・レイ
になりました。
あのダバダバダ・ダバダバダで始まるおしゃれフランス映画のテーマ曲です。
切符切りの歌と歌詞のトータルの文字数全然ちゃうやん・・・
この映画をよくご存知ない方には「いやらしい男と女の恋愛ネッチョリ話」の様なイメージがあるかもしれませんね。しかし映画を見ていただくと、そしてこの曲の歌詞もとても中年以降には深く響く人生の内容です。
偶然、チャンス、再出発、成り行き
そういった単語がぽつんぽつんと散りばめられていて、あとは大体ダバダバダ〜って鼻歌を歌っているという「多くは語らない」感じ。
下記の動画は歌詞は歌っていないのですが、アレンジや女性のフレンチボーダーのワンピースやハーフアップのヘアスタイルが素敵なので見てみてください。
タロット占いも、このようないろんな曲のように、ひとりひとりの個性や好みに合わせた世界観でやれたらいいなと思うのです。
先日の投稿で、アドリアーナのエネルギーチャージは音楽だけだと書きましたが、フランスの曲は色々聴いて想像を膨らませることが多いですね。
bonne nuit.
Stella Maris Adriana
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